3シリーズ E90 323iMスポーツ エンジン掛かりが悪い

こちらの車両は、地元愛知県名古屋市内にお住まいのD様の’05年式 E90 323iMスポーツです。
最近エンジンの掛かりが悪くなったということで前回症状を確認させていただいておりました。
テスターでの診断結果は、サーモスタット不良のトラブルコードが残っていましたのでサーモスタットと電動ウォーターポンプ交換でお預かりいたしました。

サーモスタットと電動ウォーターポンプを交換いたします。

電動ウォーターポンプは、エンジンの右下で、サーモスタットはその上です。

取り外しました。

電動ウォーターポンプとサーモスタットASSYです。
左が車に付いていた物で、右が新品です。
今回電動ウォーターポンプは、不良ではありませんでしたが予防整備で同時交換のご用命をいただきました。
詳しい手順は、E90 323iMスポーツ 電動ウォーターポンプ交換を参照してください。

テスターを繋いでトラブルコードを消去いたします。
トラブルコード5つです。
前回は、入っていなかったトラブルコードです。
インテークカムシャフト関係のトラブルコードです。

エキゾーストカムシャフトセンサー関係のトラブルコードです。

サーモスタット不良の時のトラブルコードです。

混合気のトラブルコードです。
これだけでは、濃いのか薄いのか分かりません。

混合気の制御に本当に問題があるのかもしれないです。
トラブルコードを消去した所、トラブルコードは消えました。

エンジンの掛かりが悪いのは、改善されていません。
エンジンは、掛かりませんがテスターを繋いでもノーコードです。
ということは、メカニカルトラブルの可能性もあります。

スパークプラグを取り外しました。

こんな感じです。
くすぶっている感じです。
かぶっているシリンダーもありました。

エンジンコンディショナーで掃除してみました。
上の黒い液体が、プラグに付いていた汚れです。
スパークプラグを取り付けてエンジンを掛けてみます。
掛かりはあいかわらず悪いです。
一瞬エンジンは掛かりますが、すぐに止まってしまいます。
プラグのかぶりが取れないだけかもしれないです。
このプラグは白金プラグですので、電極をゴシゴシそうじなんていうことが出来ません。
新品プラグに交換してみます。

スパークプラグ交換です。
上が車に付いていた物で、下が新品です。
イグニッションコイルは、以前に6本交換しておりますのでまず問題ないと思います。
スパークプラグを交換して、エンジンを掛けてみました。
やはり、エンジンの掛かりは悪くて掛かってもすぐにとまってしまいます。

もう一度テスターを繋いで見ました。
カムシャフトセンサーのトラブルコードが出ました。

またカムシャフトセンサーのトラブルコードです。

今度は、バルブトロニックのトラブルコードです。
が、電源供給ですのでバッテリが弱ってきたせいかもしれないです。
バッテリは、充電しながら作業しています。

もう一度トラブルコードを消去いたしました。
メカニカルトラブルの可能性もありますが、テスターの診断結果で混合気というのが出ていましたので、混合気といえばエアフロセンサーということでエアフロセンサーを変えてみます。

自分の在庫車から、借りてきました。
さすがにエアフロセンサーは、高額ですのでいきなり交換はないです。
付け替えてみましたが、症状は改善されません。
次は、何度かテスターでトラブルコードの出ていたカムシャフトセンサーを疑ってみます。
プラグはかぶりますので、ガソリンは出ていると思われます。

取り外した部品は、クランクシャフトセンサーです。
取り付け場所は、スターターモーターの下に付いています。逆トルクスの10 1本で止まっています。
マニュアルを見ると交換は、インマニ脱着と書いてありましたがなんとか隙間から取り外せました。
エンジンの回転を読んでいるのは、クランクシャフトセンサーです。
過去に4気筒エンジンでは、これが不良でエンジンが掛からなくなることが何度かありました。

汚れていますので、怪しいです。
掃除をして取り付けましたが、症状は改善されません。
見た目だけでは、本当に正常なのかもわかりません。
お客様とご相談した結果、

クランクシャフトセンサーとカムシャフトセンサーは、交換してみることになりました。

クランクシャフトセンサーです。
上が車に付いていた物で、下が新品です。
Oリングは、同時交換です。

カムシャフトセンサーです。
下が車に付いていた物で、上が新品です。
新品部品を取り付けてもエンジンを掛けてみましたが、症状は改善されません。

メカニカルトラブルを疑ってみます。
エンジンルームのインジェクターレールのフューエルホースを外して、ガソリンを抜いてみます。
テスターで、フューエルポンプを強制的に回しました。

抜いたガソリンです。
きれいです。
ハイオクの臭いがしています。
ガソリン不良ではなさそうです。
インジェクターも取り外してみましたが、詰まってはいませんでした。

コンプレッションを測ってみます。

1番シリンダーです。
基準値は、9~18㎏/cmみたいなので正常値です。

2番シリンダーです。

3番シリンダーです。

4番シリンダーです。

5番シリンダーです。

6番シリンダーです。
各シリンダーで多少差はありますが、問題ありません。

DMEをプログラミングしてみます。

正常に終了しました。
DME不良は、ないかもしれませんが100%ではないです。
しかし症状は変わりません。

フューエルポンプを疑ってみます。
燃圧不良という可能性が残っています。
プラグは、かぶりますのでガソリンが出ていないことはないですが量が足りていないかもしれないです。

フューエルポンプを取り外しました。

フューエルポンプです。
カップのような形状です。
抜いた時は、カップにガソリンが溜まっていました。
非分解のようです。

ガソリンを吸い込むフィルターは、汚れがひどい感じです。
写真左下の方です。
分解できない為、掃除したくても出来ません。
表面にパーツクリーナーを吹きかけてみました。黒い粒がいっぱい出てきました。

裏側は、こうなっています。
こちらからも、ガソリンが流れ込む仕組みです。
写真だと分かり辛いですが、中央のフューエルポンプの真下辺りの黒い部分が気になります。
汚れの塊が詰まっているかもしれないです。
この車のフューエルフィルターは、左側のタンクの中にプレッシャーレギュレータと一体のユニットで付いています。
フューエルポンプ側でこの汚れ具合だとフューエルフィルターが詰まっていてもおかしくありません。
フューエルフィルターの掃除は、出来なさそうなので燃圧計で燃圧を測定してみたいです。
専用工具が手に入らないので、汎用工具を調達して参ります。
つづきは、後日アップいたします。